ひびのかつひこ◎アーティスト。国内外で個展を多く開催。商品デザイン、舞台美術等、多岐にわたり活動。2001年には、インターネット上にて、連続ネットプログラム「北品川四谷線」「北品川四谷線−ボリビア行き」「南青山渋谷線」「国道246号線」を展開。
 魚は好きですよ。肉よりかは好き。魚七割じゃないかな? 昨日は、朝さんま、朝といっても、ちょっと遅いお昼兼用の、夜はまぐろ丼。家では魚が九割だね。この季節だと、鮎食べたくなる。塩焼きにして、丸ごとガバっと、内蔵から、骨からカブッカブッカブッと・・・。白い御飯と一緒に、苦いとこも食べると、一番合うかなぁ。
 生まれ育った岐阜は、川魚。川魚、キライな人いるでしょ。コケくさいっていうかね。逆にあの方が好きですね。鮎、鱒、ウグイ、イワナ、おじさんが夏休みになると、捕ってくるんですよ。こぶりだけどね。そうすると、鮎を塩焼きにしたり、甘露煮にしたり。
 九月に入ると、簗場で鮎づくし。鮎の刺身とか、鮎の雑炊とか。飽きるけどね(笑)。でもねやっぱり、鵜飼いの屋形船にのって食べる鮎じゃないの? 長良川と言わずとも、岐阜の川って鮎だらけなんだ。
 今考えると、自分が小っちゃい頃の岐阜って、寿司をおいしいと思ったことなかった。良い寿司を食わしてもらえなかったからかも知れないけど。やっぱ、東京に出てきて、親戚に連れて行ってもらって寿司食ったとき、ウンメーッ!て思った。でもね、海老や蟹系は得意じゃないですよ。面倒くさいというか。貝は好きですね。あさりのみそ汁とか。鮑も好きですけど。
 友人に連れて行ってもらった、渋谷ののんべえ横丁の一階のキンキの煮付けは旨かったねー。
寿司屋さんは、西麻布の裏の方の小っちゃいとこにいく所はあるんだけど。「寿司岩」かな?そこは、結構、おみそ汁も美味しいんですよ。寿司も当然好きなんだけど、みそ汁とか煮込み系に心が動く。
 新潟で食べた「ノドグロ」って旨かったですね。のどのところが黒い魚っていってたけど。ああゆう旨いものって、もう一回食おうと思っても、巡り逢えないね。だから、新潟行くたんびに「ノドグロ」、「いや、今ないなー」とかさ。「おかしーなー、あの時は何だったんだろうな?」みたいな。
 小松の寿司屋で食った蛸。これも旨かったね(笑)。寿司屋に行ったらね、蛸がこう、丸ごと天井からひっかけて、ぶら下がってるの。注文も何もしないんだけど、塩がボンッ、ボンッ、ボンッ、って。オヤジが出てきてバンッほれ、バンッほれ、バンッほれ、って。一本食ったら、結構お腹いっぱいになっちゃった。お通し替わりに足一本。八人分しかない(笑)。
 イカ刺も好きなんですよ。福岡の生イカ。いわゆる、透明なのね。エッジが立ってて。歯ごたえが違って。白いイカと違って。何なの?白いイカは?白いイカ見ると、なんかさ、活きが悪いように見えちゃって。必ず、行く店あるんですけど。味も食べたいけれど、人に会いたいってありますよね。その、雰囲気に行きたい。

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