たつみ たくろう◎俳優。NHK大河ドラマ『利家とまつ』、テレビ東京『小早川警視正シリーズ』他、多数のドラマに出演 。バラエティー、舞台、映画と活躍の場を広げ、司会や旅行のプロデュース、執筆活動も好評。『くいしん坊!万才』で全国を食べ歩いて以来の食通でワイン通。自身がメニューに合わせワインをセレクトした『嬉食満面晩餐会』vol.4を3月に京都で開催し大好評。
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 僕に関して言えば肉から今はだんだん魚と野菜中心の食事になっています。好みが変わってくるわけですね。お魚がやっぱり一番美味しいと思うんです。
 旅関係の番組が多いので、その地方の旬の魚を食べる機会がたくさんあります。今月も三回くらい金沢に行っています。金沢といえば、冬はブリですね。魚貝類が本当に美味しいですしね。こんな、贅沢していいもんだろうか、と思うんですが(笑)。
 ハタハタも好きですね。秋田でもとれなくって、しばらく二〜三年禁漁してたんですよね。ハタハタ漁なんて本当にいいんですよ。網をセットして、船底の浅い木の船で、暗い中を手で漕いていく漁は良かったですね。脂ののったハタハタは、本当に美味しい。流石に名物だなーと思いました。三陸のメヒカリ、北海道のコマイとかも地方色あって、呼び方もあっていいですね。一番好きなのは山陰のノドグロ。その地方に行って食べるのが本当に美味しいですよね。
 イカは、アオリも美味しいけれど、ヤリイカが好きです。松前のヤリイカがやっぱり最高ですね。函館はどちらかというと、マイカ、スルメイカ系。ヤリはやっぱり、日本海側ですね。佐渡でも食べましたけど、冬場のイカの味は、違いますね。今は寿司屋に行くと一年中イカがあるけど、「いいヤリが入った」とか、「いいアオリが入った」と言われると、注文したくなります。ゲソも好きです。イカはまた、天ぷらが美味しいですね。脂っ気がないから、本当に捕れたての生のお刺身で食べられるくらいの新鮮なイカを天ぷらにする。博多なんかの生け簀料理のイカを輪切りにしたり、新鮮な油で揚げるっていうのは、本当に贅沢ですよね。
 ゴロもまた美味しい。ゴロはイカの内臓なんですが、マイカにしっかりしたゴロがありますね。函館あたりいくといろんな風に料理してくれるんですよ。イカゴロのしゃぶしゃぶの店は美味しかったですね。乙なもんですよね。それから、じやがバタに塩辛をのせて食べるとかいいですね。じゃがいもとバターとイカという北海道の三大話みたいな(笑)。
 自分の必要なぶんだけ捕って、必要なぶんだけ食べるっていうのが大事なんでしょうね。目先のことばっかりが多いので、食生活にしても自給率の問題にしても、魚にしてもそうですけど。どこにいっても魚が捕れなくなったという問題と、跡継ぎがいないという問題が、根本的に考えていかなければならないことだろうなと。大事に食べること、あまり物を捨てないというのが、魚のためにもいいですよね。鮭なんかも皮が美味しいじゃないですか。そういったものを大事にしてほしい。栄養価も高いですし。
 ヤリの糸造り食べたいですね(笑)。変に手を加えずに、船の上で、海の上で洗って、皮剥いた、醤油でなく海水で食べるのは美味しいですね。あとは、カツオを
頭から砕いて団子にしてまるめて、焼いて食べるのは究極の栄養価で美味しかったですね。

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