中島水産株式会社 卸営業本部 常務取締役

「安心・安全」が第一
 養殖魚についての中島水産の取り組みは、まず「安心・安全」が第一。品質の良い美味しいお魚を適正価格で安定して供給しつづけることが大切です。そのためにお客様のニーズを研究し、生産者とのパートナーシップで商品開発をしています。

食感と美味しさの秘密
 また飼料はそれぞれの専門分野のメーカーとタイアップして、共同開発を進めています。こうした飼料を使うことで、品質の向上と安定化を図っています。品質の向上とは、鮮度維持がよく、魚のもつ力で脂が変敗しづらく、色変わりの早い血合などの退色を抑制し遅らせた事です。当然ながら食感がよく、美味しく食べられる期間が長くなりました。

お魚の素性を明確に
 さらには魚種によって適した養殖環境を考えたり、近年話題になっています「トレーサビリティー」つまり、品質がよく、魚の履歴が明確にできる魚の養殖を手がけています。現時点では、マグロ、鮎、トラウト・サーモンで、かなりの実績をあげています。そしていよいよ今年の10月には本格的に、マダイ、ブリ、カンパチの出荷が開始されます。

全社をあげての商品開発
 中島水産の開発体制としましては、卸し部門の中に商品部があり、各商品毎に担当バイヤーがおります。そのバイヤーと中島水産バイオ&テクノ(NBT)という関連会社とで連携をとりながら、科学的な分析・検証を行い、商品開発を進めています。ですから、中島水産の商品開発には、競合他社と比較した場合に、他にない機能で特異性のある商品開発になっていると自負しています。もちろん、小売部門とも緊密に連結を取りまして、特に味の部分、魚体サイズの問題、色目の問題については、その都度、検討しながら、他社にない品質や味の差別化が可能となるよう日々努めています。

貴重な魚資源
 日本の近海でとれる漁獲量は、資源的な減少、あるいは各国二〇〇海里の問題等により年々かなりの縮小傾向にあります。一方、それと平行して海外からの水産物の輸入が増えてきています。しかも海外からの水産物の輸入は、すでに50%強になっています。この傾向はさらに加速するものと思われます。

日本の大切なお魚文化
 島国として日本は古くから魚を食する食文化を築いてきた歴史的経緯があります。中島水産としましてはさらなる豊かな食文化に貢献出来る様、資源の確保、育成についても積極的に取り組んで行きたいと考えております。そのためには、天然の漁獲にだけ頼ることなく、自給体制の仕組みを構築すること。また、盛んに論じられている「トレーサビリティー」の観点から考えても、美味しい魚を安定供給する為、養殖魚の安定化と更なる事業の拡大を考えております。


養殖のお話(1) 養殖のお話(2) 鯛のお話

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