中島水産株式会社 小売企画部商品企画課 田中 修
◎今年の鍋の展開について
 当社の基本は2人前セット(野菜入り)と単品アラカルトを中心に商品作り、売り場作りをしています。
 昨年との違いは、2人前セットにおいては「魚のキットと野菜パック」の配置を変更し、より魚がよく見えるようにしています。当社の鍋セットはトレーに「白菜パック」をのせ、その上に「魚をのせたトレー」と「その他の野菜パック」「鍋つゆ」などをのせ、お客様が作る時により清潔に作りやすいように、


寄せ鍋セット1人前(野菜入) 寄せ鍋セット2人前(野菜入)
材料を区分してあります。

2人前セットについての考え方
 魚の量は2人前の内容量に設定してあります。量を増やすと野菜、鍋つゆとのバランスが悪くなってしまいます。魚を別のトレーに盛り付けキット化しています。野菜についても2人前の内容量を白菜のパックとその他の野菜パックに分けています。これは前述の通り、お客様が作るときの事を考えて材料を区分すると共に、野菜に魚のドリップが着かず、清潔さを提供する事を兼ね備えさせています。
1人前鍋(ミニ鍋)セットの展開
 個食対応と簡便化商品として1人前鍋(ミニ鍋)セットの展開をしています。一般に売られている同様な商品については、安価に視点を置き、野菜と魚の具とのバランスが悪くなっているものが多いようです。
 このセットは基本の2人前セットをベースにして1人前にしていますので、本格的な商品作りになっています。当然、価格についてはそれなりになっています。昨年から展開をしていますが、需要がのびている商品です。
海鮮しゃぶしゃぶの展開について
 もう一つの取り組みとして「海鮮しゃぶしゃぶ」の展開をしています。昨年からのチャレンジ商品として「真鯛」「活〆たこ」「金目」の単品や「三点盛」などの商品作り、展開をしていますが、なかなか定着していないのが実情です。
もし、店舗にて商品がならんでいませんでしたら、是非、売り場の者に声をかけて作ってもらってください。ご要望に応じて作らせていただきます。


◎今年の「ふぐ展開」について
 当社では、毎年「ふぐの調理師免許」取得のための社内研修をおこなって来ており、今年も13名の合格者を出し、合計106名の取得者を有しています。平均すると1店舗当り約1.7名となっています。したがって、各店舗での調理が可能になっています。
 これは、当社の方針として「ふぐ刺し」「ふぐちり」などの「ふぐ」商品をより多くのお客様に気軽にご利用いただけるように出来るだけお求め易い価格にてご提供させていただくために自店にて調理し提供できる環境設定を行って来ているのです。

安心・安全な商品の提供
 魚のトレーサビリティーが明確に提示される様になってきている一方、抗生物質の残量検出やホルマリン使用など問題視されています。こうした環境下において当社としても、原料・産地の指定や身欠加工業者の指定・指導など安全性の確保確認を常におこなっております。
 本年度の「天然とらふぐ」は非常に少なく相場が高いので品揃えはしていますが、「養殖とらふぐ」をメインとして販売しています。
取材協力:銀座松屋店
商品規格の統一
 販売期間(10月〜3月)になる前に各店舗のふぐ担当者を2回に分けて本社調理研修室に集め、本年度の商品規格の統一指導を行いました。さらに販売開始後、トレーナーが各店舗を廻って盛り付け方、切り方、添付品、トレーなど指導をしてよりよい商品作りを手がけています。
 美味しく召し上げって頂く為に「ちり鍋セット」にはだし昆布を添付したり、本年度は皮(ボイルしたもの)を盛り込んでいます。
 また、コーナー展開としてふぐ一夜干、にこごり、白子豆腐などの加工品や棚上にはひれ酒用のひれ、ふぐ雑炊、ポン酢なども展開しています。

撮影=菊池陽一郎
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