津軽海峡夏景色
マコガレイ漁の季節がやってきた!

鰈(カレイ)。名は身を表するように、見た目もさることながら、海中で蝶のようにひらひらと舞う。鰈は世界中で約100種、国内では約40種ほど生息するといわれており、その中でも高級魚と評されるのが、今回ご紹介するマコガレイだ。津軽海峡に位置する北海道知内町がその産地の北限といわれており、この時期、一番脂ののったものがあがるという。今回は、まさに美味しいシーズンを迎えたマコガレイ漁に同行しました。

マコガレイの獲れる北限の地、北海道知内町へ!
北海道知内町。道南に位置し津軽海峡に面する知内町は、演歌歌手、北島三郎氏の出身地、唄われる歌詞にふさわしい北の大自然に恵まれた、函館から車で約一時間、人口約6千人の町です。本州とつながる青函トンネルの北の玄関でもあり、海の幸の豊かな地域。ウニ、ホッケ、ホタテ、カキ、ヒラメなどさまざまな魚種が安定して収穫されていますが、特にその中でも町をあげて取り組んでいる特産品が、今回ご紹介するマコガレイです。マコガレイは、大分県で「城下ガレイ」と呼ばれるものが高級魚として有名ですが、それと同種のものが知内町で水揚げされるのがわかり、漁協と町役場が「天下の絶品“マコガレイ”」というキャッチフレーズを掲げて知名度アップとともにブランド化に取り組んできました。捕獲量も大分県を凌ぐらしく、「マコガレイ=知内」を目指しているようです。ほぼ通年で獲れるマコガレイですが今は産卵を終えて脂がのりはじめたまさに旬。港も漁に向かう人々で賑わう季節を迎えました。

漁港の朝は早い。毎朝4時には起きて、まず潮の流れをチェック。 底建網を設置したポイントまで向かいます。海を見つめる姿の凛々しいこと。
ポイントに到着、流れを読んで一気に網を引き上げます。3人の息はぴったり、無言で作業は進みます。 この日も、肉厚で脂ののった大きなマコが踊ります。


漁の後に、早速獲れたてのマコガレイをお刺身にしてご馳走してくれました。捌きたての身は透き通っていて、弾力もあり、味は絶品。漁から帰っても出荷の準備などでこの日も大忙し。漁師の一日はなかなか終わりません。

捕獲後、船下の水槽に放します。今日はヒラメ、サメ、アイナメが一緒に揚がりました。 水揚げ後、魚種別サイズ別に分けます。そのスピードは目を見張るほどです。
大きなものだと40センチにもなる!
左がヒラメ、右がマコガレイ。こんなにも大きさが違います。もちろん味も違います。 通常1尾は400〜500g。最高3kgのものが獲れたこともあるそうです。

船長の西山仁己さん。カレイをさばくのもお手の物です。
西山仁昭さん、西山太士さん、西山武雄さん。 この船に二人から三人乗り込んで漁に出ます。
取材に協力いただいた「仁和丸」の漁師のみなさん。毎朝4時には起床して船出の備をします。 船には最新の魚群探知機とGPSを搭載、船室の外でリモコンでも操舵ができるようになっています。


条件をクリア、
ブランド魚として出荷されます。
ギュッと身が締まり脂ものり、まさにこれからが旬。早いものは出荷後、その日の夕方には東京の店頭に並びます。
まず、俗に左ヒラメ、右カレイといわれ目は右を向いています。体長はヒラメが平均35cmぐらに対し15cmほどで、ベストサイズは20cm以上。腹側は黄色の着色部がなく、真っ白。2〜3月は産卵期になるので、産卵直後はあまりオススメできませんが、6〜8月になると脂ものって刺身向き。12月頃になると卵を持ち、煮付けがおいしいです。ちなみにマコとは真子と書き卵を抱えたカレイのことを指します。

知内は暖流と寒流が交わる恵まれた海域
マコガレイの漁は、毎朝5時くらいに出船します。 数百メートル沖合いでの底建網漁により、一日一回水揚げします。これまでの時期はホッケでしたが、 これからのシーズンはマコガレイとヒラメが多く獲れます。4月から11月にかけてがマコの漁期です。 マガレイとちがって、マコガレイは値段が一桁くらい違うのではないでしょうか。 20年くらい前までマコはマガレイと一緒に水揚げされていたんですが、 後に大分の城下ガレイと同じ種類のものだということが分かって、 マコガレイ祭りを開催したりと地域をあげてのブランド化に取り組み始めたんです。 海流の影響で、マコガレイの獲れる北限が知内なんです。 暖流と寒流が交じる津軽海峡の荒波にもまれてますから、 身がしまり脂がのっていておいしいですよ。ですから、 お刺身にして食べるのが一番おいしいですね。出荷後、 早いものはその日の夕方に東京の店頭に並びます。もちろん、地元の直売所でも買うことができますよ。


撮影=菊池陽一郎
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