先日のテレビのニュース番組で「魚のなくなる日」という特集を放映していました。ノルウェー鯖が、この一年で1.5倍の価格に跳ね上がりました。原因はロシア等の各国からの需要が急増しているとのことで経済発展と人々の健康志向の高まりによるもののようです。ノルウェーの養殖サーモントラウトも同程度の値上がりを見せています。海洋汚染を防ぐために、同国政府は餌の供給量の制限を従来から実施しており、需要が伸びても簡単に増産出来ないのが実情です。
 
 当社の海外事業は大変好調で、7月現在4カ国24カ店の店舗運営をしております。8月台湾、9月香港、11月シンガポール、香港、そして12月マレーシアと、新規開店が目白押しです。寿司と刺身を中心とした店舗形態ですが、中国人には大変高い評価を受けており、完全にこの店舗形態が定着したものと考えています。  

 特に香港の各店舗の売上は、われわれの想定をはるかに超えるものになっております。住宅地域にあるスーパーマーケットへの出店政策が大成功をおさめたもので、都心ではなく、住宅地域で高い評価を受けているということは、現地の人々の日常生活に当社商品が完全に溶け込んでいるということですから、これからが楽しみです。また、居酒屋の「ワタミ」が既に13店舗の展開をしており、居酒屋としてよりも、日本食レストランとして、大変高い評価を受けています。香港では魚を中心とする日本食が一段と普及しております。別な見方をすれば、世界的に魚の需要が急激に増える兆しがはっきり見えてきた今日、13億人の人口を抱えた中国本土の人々が同じように海産物を食べ始めたら、一挙に魚不足の状態になってしまいます。  

 以前にもお話をしたと思いますが、「魚のなくなる日」が着実に迫っています。魚の乱獲を防ぎ、資源の保護をしっかり行っていかなければなりません。  

 また、食べる側の立場としては、魚をただ消費するのではなく、味わって魚を食べることが望まれます。この『おさかなぶっく』では、魚の美味しさを皆さんにご理解していただくことを主たる目的として刊行していますが、これからも更に精進して毎号編集してまいりますので、是非継続的にお読みください。  

 魚資源及び魚食文化を大切に守っていきましょう!!

 
 

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