ののむらまこと◎1964年6月24日生まれ。東京都出身。A型。 高校在学中の1982年、“いいとも青年隊”のオーディションに合格し、初代メンバーとしてデビュー。長身&甘いマスクながら、天然ボケのキャラクターで、クイズ番組やバラエティー番組を中心に活躍。TBS「世界・ふしぎ発見!」、ABC「おはよう朝日です」にレギュラー出演中。子供の頃から釣りに親しみ、自分の釣った魚を子どもたちに食べさせてあげたいと願う心優しい2児の父親でもある。
 子供の頃から釣りは好きで、従兄弟と僕の兄貴と悪ガキ4兄弟で家の近くの池で、コイやフナを釣ってました。5月の産卵期に、コイはお腹をすかせて岸辺に寄ってくるので、すぐ釣れるんです。釣ったコイは墨を塗って魚拓にして、その後にまた池に戻すというのを繰り返してましたね。魚拓にするのが楽しくて。亀も釣ったな。亀はクチボソって魚を活餌にするとバクッとくるんです。昔は晴海の先にハゼが釣れるところがあって、のれんをかける竹を竿にして、餌のゴカイだけは買って、約50センチくらいのをよく釣りましたね。おふくろが天ぷらにしてくれたのを今でも覚えています。
 嫁さんの実家は広島の三原というところで、彼女の親父さんは釣りの師匠と呼びたいくらいの人。一緒にチヌ釣りをするんですが、親父さんはカニと練り餌で釣るんです。カニは海と川の合わさる河口辺りにいるんだけど、どのカニでもいいわけではなく、体操ガニというのを選ばなくちゃいけない。その体操ガニというのは、ずらりといるカニの中でピースサインを上げ下げしながら歩くポーズのカニで、一番チヌの喰いつきがいいんです。親父さん特製の練り餌を団子にしてカニを包むと、水の中で団子が溶けてチヌが寄ってくる。ちょうどそこでカニがバーンと現われるので、ガブッと喰いつく仕組みなんですよ。ただ、釣り上げるタイミングを合わせるのが難しくて、少しでも遅れるともう駄目。難しいんですよね。
 佐々木(主浩)さんとは十何年も仲良くさせてもらってるんですが、釣りに関しては永遠のライバルですね。ハワイでシイラ釣りをした時、彼はあの体格だからいいけど、僕はこの身体なんで、ガーッともっていかれちゃって。肩幅をはるかにこえて両手を広げるくらいのシイラですよ! 「体力ないね、あんた」って途中で佐々木さんに代わってもらいました。釣りは大物を釣ったら更に上を狙いたくなるし、互いに競い合ってるとますます負けたくない!ってなるんです。彼に勝てるのは釣りぐらいしかないかなって。しかし釣りもうまいんだよな・・・。だから僕はつい焦るんです。しかも「見えてないでしょ、魚が」と言われて(泣)。彼との対決で勝っているのは茨城・鹿嶋沖で釣ったヒラメ。ものすごく大きくて、ヒラメのお化けみたいなのを“おひょう”というんだけど、それに近いサイズ。海中の座布団を引き上げたみたいな感覚でしたね。
 釣りは30分〜1時間に3匹くらいのペースが一番面白い。釣れすぎても、釣れなくても面白くないし、待ちの時間があって、魚と駆け引きしている気分を味わっている時間帯が楽しい。「俺は海に勝った!」と海を征服したような気持ちになれる帰り道が、1番気持ちいいんですよね。

撮影=岩瀬陽一
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