最初は料理を作ることが仕事になるなんて思わなかったんですよ。大学を出た頃、たまたまキューバの音楽家インタビュー本の出版パーティーの料理を作ることになって、いろいろ
工夫をして料理や、飾りつけをしたのが楽しくて。それから徐々にお仕事をいただくようになり、最初のイベントのときに1回 限りと思ってつけた「南風食堂」の名前がそのまま続いているのです。ときどき「今度食べに行きます!」と言われたりしますが、お店はありません(笑)。
今回は、冬が旬の食材を使った多国籍鍋料理を作ってみました。ふぐを使った鍋ですが、贅沢な逸品をどう食べるかといろいろ考えたところ、ふぐの食感が楽しめるのはやはりてっちり
鍋ということに行き着きました。しかし、シンプルだからこそ、 薬味に凝ってほしいので、3種の手作りだれと薬味を提案しました。市販品より断然香りも豊かですから、うまさ倍増は間違い無しです。もう1案は、意外な組み合わせですが、シンガポール風カレー鍋。煮込んでもふぐの食感は楽しめますし、ふぐのだしと香辛料が相まって、やみつきの味。ココナツミルクが入るので、辛さもマイルドです。最後に、フォーやうどんを入れてもいいですね。ブイヤベース鍋はあまり煮込みすぎず、それぞれの魚の味を堪能して。ポイントはトマトを最後に加えること。食感と鮮度を楽しんでほしいです。麻婆蟹鍋は、合わせだしが決め手。さらに蟹から旨味が出るので、しめには雑炊がおすすめです。
鍋は手間もかからないし、お酒と合わせても主食でも楽しめます。最後はご飯や麺を入れて、旨味を最後まで味わって。ぜひこの冬はほっこりと多国籍な自宅鍋を楽しんでほしい
ですね。