南風食堂
ふぐのてっちり鍋
シンプルだからこそ、たれはぜひ手作りで。

材料(2人分)
 ふぐ…500g
 白菜…1/4個 春菊…1/2束
 えのき…1袋 豆腐…1/2丁
 ねぎ…1本 くずきり…30g
 昆布…10cm 水…1200cc

<ポン酢醤油>
 昆布だし汁…40cc 酒…大1
 みりん…大1 醤油…大3
 柚子果汁…1個分 鰹節…1つまみ

<柚子胡椒>
 柚子…1個 青唐辛子…5個
 塩…適量

<コチュジャンだれ>
 コチュジャン…小2 酒…大1
 醤油…大1/2 すりゴマ…小1

■作り方
1. ふぐはぶつ切りに、白菜、春菊は3cm幅に切り、えのきはいしづきを取り半分に、豆腐はやっこに、ねぎは斜め切りにする。くずきりは湯がいてざるにあけ、水気を切っておく。

2. ポン酢作り。だしと酒、みりんを合わせさっと煮立たせ、冷ます。柚子果汁、醤油を加える。鰹節を10分ほど浸し、ぎゅっと絞って取り除いて完成。柚子胡椒は、青唐辛子の種を取り、柚子の皮と一緒にみじん切りに、すり鉢ですり、塩を加えて完成。コチュジャンだれは材料を合わせる。

3. 鍋に水と昆布を入れ30分ほど置き、弱火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。

4. ふぐを入れ、煮立ったら野菜を入れて、ポン酢、柚子胡椒、コチュジャンだれをつけていただく。

ブイヤベース鍋
魚介がたっぷり。いろんな味が楽しめます。

材料(2人分)
 カサゴ…1尾
 キンキ…1尾
 海老…4尾
 穴子…1枚
 はまぐり…4個
 にんにく…1片
 たまねぎ…小1個
 セロリ…1本
 トマト…小3個
 サフラン…小1
 白ワイン…100cc
 水…800cc
 オリーブオイル…大2
 塩…小1
 小麦粉…適量

■作り方
1. カサゴ、キンキはえら、わた、うろこを取っておく。塩、こしょう(分量外)をして小麦粉をまぶし、色づくくらい両面焼いておく。海老は殻のまま背わたを取る。はまぐりは塩抜きをして殻をよく洗う。穴子は3cm幅に切っておく。

2. にんにく、たまねぎ、セロリはみじん切りに。トマトは種を取ってざく切りする。

3. 鍋にオリーブオイルを敷き、にんにく、たまねぎ、セロリを加え炒める。たまねぎが透き通ってしんなりしてきたら、白ワイン、サフランを加える。白ワインが沸騰したら魚、海老、穴子を入れ、水を加える。 4. 魚介に火が通ったらトマトを加え、塩で味を整える。5分ほど煮込んで出来上がり。


麻婆蟹鍋
まろやかなのにピリ辛。コクのあるだしが決め手。

材料(2人分)
 蟹…小1杯
 鱈の切り身…2枚
 キャベツ…1/4個
 えのき…1/2パック
 九条ねぎ…1本
 豆腐…1/2丁
 春雨…60g

<合わせだし>
 昆布…約6cm
 水…1000cc
 干し海老…大2
 紹興酒…100cc
 豆板醤…大2
 甜面醤…大1・1/2
 味噌…大1 醤油…大1
 花山椒…小2/3

■作り方
1. 蟹は水洗いをして、甲羅ごと半分に切り、足は食べやすいように包丁で殻に切り込みを入れておく。左右に灰色のガニ(えら)がついている場合は取り除いておく。

2. 鱈は食べやすい大きさに切って、熱湯でさっと湯がいておく。

3. キャベツは5cm幅程度の食べやすい大きさに切る。えのきはいしづきを取って半分に、豆腐はやっこに、ねぎは斜め切りにする。春雨は湯がいてざるにあけて水気を切り、食べやすい長さに切る。

4. 干し海老、花山椒はみじん切りにしておく。

5. 鍋に水と昆布を入れて30分ほど置き、弱火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。

6. 干し海老、紹興酒、豆板醤、甜面醤、味噌、醤油、花山椒を加える。

7. 蟹を加え、再度沸騰したら、火を弱め、鱈、野菜類、豆腐、春雨を加える。火が通ったらスープと共に取り、いただく。

ふぐのシンガポール風カレー鍋
ふぐ鍋に新風!? 意外にも相性は良いようです。

材料(2人分)
 ふぐ…500g
 はんぺん…1枚
 なす…3本
 オクラ…1袋
 春雨…50g
 レタス…1/2個
 にんにく…1片
 しょうが…1片
 青唐辛子…2〜3本
 たまねぎ…1/2個
 カレー粉…大3
 チリパウダー…小1
 ココナツミルク…150cc
 ヨーグルト…100cc
 レモン汁…1/4個分
 塩…小1
 ナンプラー…適量
 胡麻油…大2
 水…800cc

■作り方
1. ふぐはぶつ切りに、はんぺんは食べやすい大きさに、なす、オクラは乱切りにする。春雨は湯がいてざるにあけ、水気を切っておく。レタスは少し大きめにちぎっておく。

2. にんにく、しょうがはみじん切りに、青唐辛子は種を取って小口切りに、たまねぎは串切りにする。

3. 鍋に胡麻油を敷き、にんにく、しょうがを加え炒める。香りが出てきたら、たまねぎを加える。たまねぎがしんなりしてきたら、青唐辛子、ふぐ、はんぺん、なす、オクラを加えてさっと炒める。外側にちょっと焦げ目がついたらカレー粉、チリパウダーを加え、さっと炒めて具となじませた後、水を加える。弱火にして10分ほど煮込む。

4. ココナツミルク、ヨーグルトを加え、塩、ナンプラーで味を整える。再度、煮立ったらアクを取り、春雨、レタスを加え、レモンを絞っていただく。





なんぷうしょくどう◎
小岩里佳(左)と三原寛子(右)による料理ユニット。味はもちろんのこと、食感、色、音、空間を含めたよりよい「食」の場のプロデュースを目指す。食に関する企画提案や編集物の制作、雑誌やWEBでの料理紹介などもおこなう。著作に「南風食堂のおはこ料理」(双葉社)、「スープの本」(主婦と生活社)。

http://www.nanpushokudo.com
 

 最初は料理を作ることが仕事になるなんて思わなかったんですよ。大学を出た頃、たまたまキューバの音楽家インタビュー本の出版パーティーの料理を作ることになって、いろいろ 工夫をして料理や、飾りつけをしたのが楽しくて。それから徐々にお仕事をいただくようになり、最初のイベントのときに1回 限りと思ってつけた「南風食堂」の名前がそのまま続いているのです。ときどき「今度食べに行きます!」と言われたりしますが、お店はありません(笑)。
 今回は、冬が旬の食材を使った多国籍鍋料理を作ってみました。ふぐを使った鍋ですが、贅沢な逸品をどう食べるかといろいろ考えたところ、ふぐの食感が楽しめるのはやはりてっちり 鍋ということに行き着きました。しかし、シンプルだからこそ、 薬味に凝ってほしいので、3種の手作りだれと薬味を提案しました。市販品より断然香りも豊かですから、うまさ倍増は間違い無しです。もう1案は、意外な組み合わせですが、シンガポール風カレー鍋。煮込んでもふぐの食感は楽しめますし、ふぐのだしと香辛料が相まって、やみつきの味。ココナツミルクが入るので、辛さもマイルドです。最後に、フォーやうどんを入れてもいいですね。ブイヤベース鍋はあまり煮込みすぎず、それぞれの魚の味を堪能して。ポイントはトマトを最後に加えること。食感と鮮度を楽しんでほしいです。麻婆蟹鍋は、合わせだしが決め手。さらに蟹から旨味が出るので、しめには雑炊がおすすめです。
 鍋は手間もかからないし、お酒と合わせても主食でも楽しめます。最後はご飯や麺を入れて、旨味を最後まで味わって。ぜひこの冬はほっこりと多国籍な自宅鍋を楽しんでほしい ですね。


撮影=菅原史子
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