かんだようこ◎講談師。5月19日生まれ。東京都出身。O型。趣味は日本舞踊、俳句、料理、ゴルフ。主に新宿末広亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場など寄席を拠点に活動。また2007年からは、崇城大学(熊本)の客員教授として教養講座などを担当。また女性一代記ものをライフワークとしている。
 好きなおさかなは、鯖! 「サヴァ・ビアン」ってね(笑)。昨日もいきつけのおさかなやさんで鯖の味噌煮を食べちゃいました。鯖はどんな料理にしてもおいしい。一度ね、しめ鯖が食べたくなって自分でしめたことがあるんですよ。レシピ通りにやったらできるんですね。それ以来やっていないですけど(笑)、美味しかったですよ、自分でつくったのは。
 おさかなって旬があるのがいい。旬のおさかなってなんでも美味しいじゃない。旬を愛でていただくっていう、季節を感じながら食べるっていうのがね。あんこうが出てきたら、家族囲んで鍋。「お父さん、あんこうの肝ちょっと多めね(笑)」みたいな。「季節を愛でる」って家庭から発信していたんじゃないかなあ。おさかなもお野菜も、何でも自然のものは旬があって、活かす命だから、活かすいただき方があって、どんな食べ方でもとにかく美味しくいただくってことが大切で。そうやって私たちは生かされていると思うんですよね。
 鰹はまさにその旬もののトップバッター。江戸時代からも季節を感じるものとして重宝されている。講談にも出てきます。「鰹売り」。「か〜つぅお〜」って言うの。江戸っ子にとっては「勝つ魚」だからすごく縁起がいい。「かつお→かつうお」ってね。おかみさんを質屋に入れても初鰹は食べたいっていう。地方によってもいろいろな食べ方があるみたいだけど、私はにんにくで食べる派、臭いんです(笑)。鰹との一番最初の出会いがたしか、「ハイファン」というお店で、にんにくチップが散らされたお野菜がのった超洋風で、今で言うカルパッチョだった。すごく美味しかったの。話しながらも、ずるずるしちゃう(笑)。昔は邪道だったんだと思うんだけど、にんにくがついているところあんまりなかったのよね。だいたい家で食べるとしたら、しょうが醤油とかわさび醤油とかで、オイルなんて芸当はなかったですから。
 この前、日中友好講談大会というのがあって蘇州に行ったんですが、今度は彼らを日本にお呼びしたんです。そしたらまぐろばかり食べたがるんですよ。お刺身を。あちらでは超高級料理みたいで、ずーっとお刺身でもいいみたいな感じで。私たちは気を遣って美味しい中華に連れて行こうかしらとか考えていたんだけど、「刺身、刺身」って。それこそ、まぐろを買い占める勢い。取りまくっているんじゃないかしら? 中国のあの人数で取りまくられたら、日本人の食べる分があっという間になくなっちゃうわよ(笑)。大変大変!
撮影=緒方栄二
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