生たたき編   冷凍たたき編
[御前崎港]
黒潮にのって北上してきた鰹を狙って、御前崎沖で捕獲。漁法は一本釣り。水揚げも手作業で行います。
この日は40〜45cmの1.5kgほどの鰹が主流でしたが、中島水産は、色目も良く一番美味しいとされる4〜6kgの大〜中サイズのみを使います
0.2kg単位で大きさが仕分けられ、捕獲日ごとに並べられます。セリは、売り子一人対仲買人で行われます。
[焼津港]
時期によって多少、移動しますが、主として南方の、マーシャル諸島周辺かミクロネシアの赤道周辺で、巻き網と一本釣りとの2方法で漁獲され、船内で凍結して運んできます。冷凍鰹の漁獲量は、焼津港が全国1位だそうです。
   
生たたき編   冷凍たたき編
1本1本、手作業で捌きます。1)頭を落とし、むなびれ、内臓を取ります。2)ひれと背側の厚い皮を取り、3枚に下ろします。3)3枚に下ろされた後、さらに腹骨や中骨など細かい骨を取り除き完成。だいたい3人体制で進みます。鮮度を損なわないように、氷でくるんで、焼きの工場へ運びます。

−50℃で冷やされた鰹はカッチカチ。まずは1)大型糸ノコのような機械で頭を取り、縦半分にして、それをさらに半分にします。2)内臓はトンカチでたたくと、その部分だけがするっと落ちます。その後は、3)皮を削る人、中骨を削る人、腹骨を削る人など細かく作業を分担。冷凍保存のまま運ばれます。
 
生たたき編   冷凍たたき編
冷凍と異なり生はきれいに加工されてくるので、鮮度が落ちないよう再洗浄することなく、焼きから始まります。上、下をガスで焼き、最後は炭火で。冷凍と同じ焼き時間と火力では焼けすぎてしまうこともあるので、まず1枚試し焼きして様子を見ます。だいたいは時間も冷凍より短時間でOK。
焼きムラがおきないように、まずは水洗いし、水蒸気とエアープレッシャーで汚れを落とします。焼き時間は3分弱ほど。表面は焼かれますが、身は冷凍されたままです。
   
生たたき編   冷凍たたき編
生の場合は半身に分けてパッキング。鮮度保持のために吸水シートを加えて真空パックします。パック後は素早く氷水につけて20〜30分冷却。氷でくるんだ状態で箱詰めし、その日のうちにチルド輸送で運びます。
 
真空パック後は、空冷式の、全長400mのスパイラルタワーをくぐり、約30分かけて完全凍結。当日加工した分は、計量して箱詰め後、専用冷凍庫でストック。要求に応じて、冷凍輸送で出荷します。


Q1. 一本釣りってどうやって釣るの?
鰹は生きたさかなしか興味がありません。ですから、生きた鰯と散水によって、鰯の群れと思わせるような環境を作り、呼び寄せます。そこに返しのついていない、疑似餌と呼ばれる釣針を落として人力で釣り上げます。
Q2. 鰹の年齢って?
厳密には言い切れませんが、色目も味も一番いいとされる4〜6kg・体長約70cmのものは約3年もの、1.5kg〜2kgのものは1〜2年ものだそうです。
Q3. 全体の何%が食べられる部分?
生の場合は全体の約60%、冷凍の場合は約50%が食用となります。そのほかの部分は、ペットフードに使われたり、エキスだけ抽出されたりと、余すところなく使われます。
Q4. なぜ炭火じゃないの?
本来なら全工程を炭火でできればいいのですが、炭火は温度が一定しないので、焼きムラができがち。まずガスで安定させて、最後に炭の香りをプラスします。
Q5. 1日の作業量はどれぐらい?
生の場合は理想サイズの水揚げがあったときのみ作業します。冷凍もこの時期が一番需要があるとき。だいたい、たたき用に約4.5t、お刺身用のスキンレス加工に約3t、合計約7tを加工します。

協力=太信水産 日光水産
撮影=菊池陽一郎
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