みやけいくみ◎1985年から5年間フランス在住。「ル・コルドンブルー」「エコール・リッツ・エスコフィエ」でディプロムを取得。1990年より2年間在米。N.Y.マンハッタンのカルチャースクールで料理講師を務める。帰国後、東京・目白にて三宅郁美料理サロンを主宰するかたわら、多方面で活躍。明るい人柄を映し出すようなおいしくて作りやすいレシピが人気。JR山手線目白駅徒歩2分・炊き立てキッシュの店《キシュキシュ》オーナー。
私は主婦の目線でレシピを考えるとき、なるべく一皿で完結させようとするので、今回もそういうコンセプトで提案しました。
時間に余裕があるときは、煮つけの前におさかなは霜降りをしてください。ぐらぐらと沸いたお湯の中に優しく入れて、ちょっと表面が白っぽくなったら、冷水に入れて静かにこすりながら洗う感じ。残っているウロコや血合いなどが取れて、煮つけてもくずれにくくなります。卵は熱い煮汁の中に入れて煮ようとすると、はじけてしまうので、この下ごしらえはしてほしいです。子持ちがこの時期のなめたかれいの魅力ですからね。焼いたり、揚げたりする場合は、軽く塩をふって10分ぐらいおきます。そうすると身もしまって臭みも取れて。水っぽくなったら水分を拭き取って調理を始めてください。
私の場合、夫の仕事の関係でパリに行ったのがきっかけで本格的に料理を始めました。海外にいるととにかくお客様を迎えることが多くて週末はだいたい呼ぶか呼ばれるかと言う感じ。もともと食いしん坊でお料理はよくしていたのですが、フランス料理を学ぶのにはちょうどいいチャンスと思いました。とはいえ主婦の観点から発しているので、いかに楽をして、おいしくて、見映えがいいかを考えます。だからおさかなだけでなく野菜も一緒に煮たり焼いたりして一度に二度おいしい!を心がけます。なめたかれいってカレイの王様だけにいろんな風に食べられる楽しいおさかなです。高級魚にもかかわらず、1尾1kgぐらいある、本当に大きくて身が厚くて立派なものがこんな風に使えるなんて贅沢ですけどね(笑)。
三宅郁美さんの新刊「オーブンまかせの天板おかず」(主婦と生活社・1,260円)を10名様にプレゼント! 応募は「おさかなぶっく」冊子巻末のアンケートはがきで。
撮影=菅原史子
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