鱧はものすごく使い勝手のいいおさかな。非常に味わい深いのですが、クセがなく、でもしっかりと主張があるのでどんな料理にも合うんです。また、夏のおさかなですから、夏の野菜と相性がいい。それに甘酢とかスパイスとか個性的なものを使っても決して負けないので、和洋中と自由な発想で調理できます。ひとつアドバイスをすると、ソテーなど大きいまま火を通したりするときは、雑に扱うとぼろぼろになってしまうので、丁寧に。そして、身の方から焼いてください。皮目から焼くとくりんとなってしまいます。骨切りをしてあるものを買えば、下処理が必要ないので、ぜひご家庭で鱧料理を楽しんでください。
くぼかなこ◎同志社大学英文学科卒業後、辻調理師専門学校に入学し、調理師免許、ふぐ調理免許を取得。その後、辻調理師専門学校出版部、東京の出版社で料理書の編集を経て独立。料理製作、スタイリング、レストランのメニュー開発・テーブルコーディネイト、編集など、食に関するジャンルを問わず活動中。主な著書「美しい盛りつけのアイデア」(成美堂出版)「基本がきちんと身につく!お料理の教科書」(西東社)など多数。http://www.kk-cooking.com/
撮影=菅原史子
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