「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と知られる初夏の魚の代表格の「かつお」が不漁で、お客様に召し上がっていただきたい品質の鰹がなく困っています。昨年の秋から寒さが続いており、時化も多く、漁師さんが海に出ることができず、魚も揚がらず魚価の高騰が続いております。
 2年前の夏は猛暑で、本来獲れていた漁場では魚が揚がらず、入荷量が減ったことが魚価高騰の要因となりました。私は専門家ではありませんからキチンと説明できる訳ではありませんが、海の変化が異常気象に結びついており、この異常な事態が常態化してきているように思います。
 先日の竜巻によって大きな被害が出ていますが、これまでの日本では考えられないような規模の竜巻が発生した訳です。これらは、全て結びついており、最近の地球温暖化が招いている現象であると思われます。現時点では、対応策は見いだせない状況ですから、異常気象は異常な状態ではなく、これからはいつでも出てくる現象になってくると思われます。
 8年ほど前に『デイ・アフター・トゥモロー』という、地球温暖化による海流の急変が巨大竜巻や氷河期を引き起すというSF映画がありましたが、これが現実になり、氷河期に入っていくことが非現実とは思えないように感じております。
 魚は水温に敏感ですし、海流に乗って移動する魚もいます。ですから、これからは「旬」という概念も希薄になってきますし、魚種毎の名産地も今までのものとは異なってくることが容易に想像できます。
 土地独特の魚が減って行くことは残念なことですが、われわれの使命は、プロとして、しっかりとした目利きによって選び抜いた、より良い品質の魚を適切な価格で、お客様が欲する形態で提供することだと思っております。いろいろな海の変化があっても、我々のやるべきことは不変ですから、お客様にご満足していただけるように、最大限の努力を継続して参りますので、これからもご贔屓をよろしくお願いいたします。
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