近、日本の飲食業のアジア進出がマスコミを賑わしていますが、弊社グループの海外事業は、シンガポール高島屋へ出店してから、来年の秋で20年を迎えようとしております。現在、シンガポール・マレーシア・台湾・香港の4ヶ国で、77店を展開しており、来年には百店に近づく勢いです。しかも、全ての国で、売上高は前年実績を上回っております。原発事故による放射能問題、日本製品の不買運動等の影響で一時売上が低迷した時期もありましたが、短期間でお客様が戻ってきてくださり、着実な伸張を示しております。
れは、19年間の努力の積み重ねの結果であります。シンガポール1号店は開店当初から爆発的な売上を記録しましたが、バイキング形式のラップ寿司販売は瞬く間に真似をされ、厳しい競争に巻きこまれて、苦しい時代もありましたが、現在はパック詰めの持ち帰り寿司を中心に、多くのお客様に支持を受けております。
寿司は日本を代表する食文化ですが、日本人の味覚をそのまま表現するのではなく、現地の方々の舌に合うように修正を加え、現地の方々中心の運営にして、現地の大衆の方々に広く召し上がっていただけるような工夫を継続してきた賜物です。原料は半分以上、現地調達です。日本人の価値基準を強制することなく、現地のスタッフやお客様の意見も取り入れて、長年絶え間ない共同作業を続けた結果だと自負しております。
4ヶ国への日本人駐在員は、わずか4人にすぎません。原稿を書いている今も、海外から16人のスタッフが日本で4日間の研修を受けており、日本の魚販売を体感してもらい、商売に対する基本的な考え方を理解してもらっています。日本人と現地人が共通の認識を持ち、これからも多くのアジアの方々に寿司を召し上がっていただけるように努力をして、更に多くの店舗展開をしていきたいと考えております。
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