ご主人の退職をきっかけに今年の2月から家族とともにオーストラリア・パースに移住。彼は専業主夫となり小島さんが大黒柱として日本に仕事に来るという生活になりました。日豪の二重生活によっておさかなの新たな発見もあったようです。
 おさかなは大好きです。オーストラリアはオージービーフもおいしいけれども、タスマニアサーモンがめちゃくちゃおいしいの。あと鯛やオイスターはたくさん獲れるし、ロブスターやエビも獲れます。パースは西オーストラリアの州都になるんですけれども、とてもきれいなところで、フリーマントルという有名な漁港があるので、すごく新鮮な魚介類がたくさん揚がるんですね。魚屋さんはバラエティ豊かだし、シーフードをよく食べている街です。ホタテなんかはしょっちゅう出てきます。お店によったら外食費なんかは東京より高いかもしれない。物価は基本高いですね。でも都会と自然のバランスがいい、とても住みやすいところです。
 いまは夫が主夫として家事を担当していますが、共働きの頃から料理は彼の担当。私も料理はするし私の方がおいしい気がするんですけど(笑)、どちらがつくるのが速いかって言ったら、夫の方なので任せていました。以前は、彼の料理は魚よりも肉が多かったんですけど、オーストラリアに来てから、タスマニアサーモンにはまり、ソテーにしたりして、結構、サーモンが食卓に並んでいますね。大きくてすごい肉厚で柔らかくて、本当にとてもおいしいんです。
 東京ではひとり暮らしですから、自炊しています。イワシの丸干しばっかり食べていますね。あとメザシを焼いて食べたり。切り身より全身の方が好きですね。干物って焼けば食べられるから便利。もうイワシの群れ一個は食べたんじゃないかというぐらい。いろんな種類の食べ物があっても、結局イワシの丸干しを買ってしまうんです。ビジュアルがおいしそうすぎる! あの、つやっとしたちょっと半生な感じが…。毎回「今日は違うのにしよう」と思うんですけど、結局丸干しを買ってしまうという。そんなにめったに出ていないですがハタハタの干物か、あとはアジの開きか。サバも好きですけどね。脂の強いものよりはイワシぐらいのが好き。それにおつゆとご飯ともう一品、プラスサラダみたいな感じで食べています。洗う、切る、プラスひと手間、だけです。面倒くさいっていう理由からなんですけどね、私の場合(笑)。でも、素材がよければ充分。だからおいしい干物が大事なので、おいしい干物を売っているところをいくつか覚えておいて、お刺身が得意な店だとか、旬なものが得意な店とか、その日の気分で仕事帰りに買いに行ったりしています。貝のお味噌汁がどうしても飲みたいときは、貝の得意なところに行きます。海のもの好きの発想ですね。
こじまけいこ◎タレント、エッセイスト。1972年7月27日、オーストラリア・パース生まれ。B型。学習院大学卒業後、95年にアナウンサーとしてTBSに入社。 第36回ギャラクシーDJパーソナリティー賞受賞。2010年にフリーとなり、 ラジオ、テレビ、雑誌など多様なメディアで活躍中。著書多数。
撮影=飯田かずな
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