本年十月に、弊社は子会社を通じてベトナム3号店を出店しました。ベトナムでは南部のホーチミンなどに2店を出店していますが、今回は北部ハノイへの1号店となります。開店間もないのですが、こちらも大変順調なスタートとなりました。ホーチミン同様に、ハノイでも一般労働者の月給は3万円ほどですが、とても3万円の月収とは思えないほどの楽しそうな生活を送っているように感じます。
 今回も、イオンモール内のスーパーマーケットへの出店ですが、今までは日本を意識し過ぎ、現地の方々にはちょっとお高いようなレストラン・商品のラインナップでしたが、このモールには、現地の方々がちょっと頑張れば利用できるような店舗や商品が集まっています。
 更に注目すべきは、現地の方々向け鮮魚売場の充実です。弊社は、鮨と刺身に特化した売場ですが、イオン直営鮮魚売場では、日本人でも利用できるほどの鮮度で、臭くなく、しかも、とうとう刺身まで提供するようになりました。これは、漁獲後の保鮮技術の向上、店舗での作業レベルの改善に基づく結果です。
 ベトナムでこれだけの鮮魚に関する提案が出来るようになると、新興国でも海魚を食する習慣が飛躍的に拡大することが想定されます。
 2年ほど前から、さんま不漁が日本では話題になっていますが、これは、日本が中心的に漁獲していた漁場の手前で、中国や台湾の新造船が漁獲してしまうことが原因のようです。公海上でのことですから、解決は容易なことではありません。漁場でも日本は負け、輸入するにも購買力で負けており、世界一の魚食大国だった日本が、厳しい状況に追い込まれております。
 過去何回か書いてきたように、地球温暖化の影響による海水温の変化に加え、中国人だけでなく新興国での魚食の拡大により、日本人は美味しい魚を食べることが出来ても、それを従来のように安価に買うことが出来る時代は戻ってこないことを覚悟しなければなりません。
 私は今、このことをハノイで痛感しております。
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