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金目鯛のマジック
ジュール・ヴェルヌの「海底二万里」などという本があるのだから、海にはエベレスト山塊よりも深い海溝があることぐらいは知っていた。だから深海といえば1万メートルくらい、というのは大きな誤解で、300から500メートルの糸を垂らして吊りあげるキンメダイも、立派な深海魚と呼ぶらしい。海にいるときは背中が銀で薄いピンクの鱗を光らせているそうだが、水揚げされると驚くほどの朱色に変身する。自然のうちに生まれた見事なマジックである。深海魚というよりも熱帯魚のような艶やかさだ。皮をはげばこれまた美しい透明感のある薄い桃色で、見るからに深い海域に住んでいる魚なのだろうと想像できる。強い水圧の中に生きる魚だからこその身の引き締まりと、脂ののった舌鼓を堪能する夏となりました。(E)