この「カキの土手鍋」には、瀬戸内海で最もきれいな海域・深江沖合で採れた新鮮なカキを使用しています。もちろん生でも食べられますので、鍋の時はあまり加熱しすぎないのがポイントです。
 味付けは味噌味仕立てです。カキやお野菜からたくさんのお出汁がでますので、薄めのだし汁に、さくら味噌、田舎味噌、白味噌、八丁味噌の四種類の味噌を混ぜ合わせて煮とかします。こうすると味に深みとコクが出て、カキとの相性は抜群です。ここに白菜の根の部分と椎茸を入れ、一煮立ちさて、最後にカキを加えます。カキは煮すぎると固くなり旨味が逃げるので、さっと煮てお召し上がり下さい。
土手鍋の他にカキ雑炊、カキから焼き、アップルとカキのグラタン、カキフライ、カキのみぞれ酢。他5品でカキ懐石の出来上がり。
かき船とは江戸時代に、カキ生産者が大阪の市場までカキを運搬していた船を言います。その船が次第に川岸に係留してカキを直接販売するようになり、明治の始め頃からカキ料理店に変身しました。かき船「かなわ」は現在でも広島市内にある元安川に店を構えている老舗のカキ料理屋さんです。
 カキ料理の中でも土手鍋は、カキフライとともに人気があります。真夏でも注文される方は多いですよ。汗をかいてでも食べたい!というお客さまが多いんです(笑)。
 カキの魅力は、なんといっても香りの良さと料理によっての食感が違うこと。それには鮮度が大切です。水揚げしてからいかに速く運ぶか、という事です。

かき船 「かなわ」
広島市中区大手町3丁目地先(平和大橋東詰)
営業時間/11:00〜14:00、17:00〜22:00 不定休
TEL:082-241-7416
広島電鉄「袋町電停」から徒歩6分、元安川河辺。

 text=編集部 photo=菊地陽一郎

Copyright (C) 2002 NAKAJIMASUISAN Co., Ltd.