私さかなは、やはり獲れたて新鮮な魚貝類を使った鍋が最高に好きです。
 鍋の魚貝類といえば、タラ(マダラ)、フグ(トラフグ)、キンメダイ、アンコウ、カニ、カキなど旬もまさに鍋の時季の美味し〜い海の幸です。
特にこのアンコウの鍋は、今まであまり食べる機会が無かったのですが、伊豆の漁師さんの底曳網漁船に乗せて頂いた時に、漁師さんが、獲れたての大きな本アンコウ(キアンコウ)をいきなり船の上でブツ切りにされ驚きました!というのは、アンコウは体が粘液でおおわれヌルヌルし、体も軟らかく、そのうえ肋骨が無いので、さばくのが難しいのです。そこでアンコウをさばく時は、下顎に巨大なフックを掛け、アンコウを吊るしてさばく、有名な吊るし切りが一般的だと思っていました。でも、漁師さんは、みるみるうちに鮮やかに、かつスピーディーに船の床でアンコウを見事にさばきました。


 そして、大きな鍋にブツ切りにしたアンコウの身を豪快にドボッドボッと入れ味噌仕立ての鍋にして御馳走してくれました。まずは、グツグツ煮えたてのアツアツの汁を頂くと、口の中にそれは濃厚な甘〜く、そして深〜い海の味がしました。美味しい!!次にお待ちかねアンコウの身をパクリと一口、なんともいえない弾力、ジュワ〜と繊細な味が広がります。
 アンコウは捨てる部分が殆ど無く、皮やエラ、ヒレはアンコウの七つ道具に含まれます。エラはさすがにとは思いましたが、食べてみるとこれが独特のシャクシャクした食感で美味しく、皮もトロンとして本当に美味しい!!

 そしてアンコウといえばやっぱりアン肝!!今までは、スーパーのお魚売り場でパックで売られているアンコウ鍋セットを買って食べましたが、このアンコウの肝を食べて、アンコウはこんなに美味しい魚だったんだ〜っ!!と叫んでしまいました。とにかくこのアン肝最高!!噛んでしまうのがもったいないなく、いつまでも口の中で味わいました。とてもシンプルな味噌仕立てのアンコウ鍋ですが、とにかくお薦めです!!
 それと僕が今、一番よく食べる美味し〜い鍋があります。それは、漁師さん流「浜鍋」です。作り方はいたって簡単!獲れたての新鮮な魚貝類ならなんでもOK!グツグツ煮込んで出来上がりです。僕は、千葉の館山という自然に大変恵まれた土地に住んでいるので、朝は漁師さんの定置網漁に参加します。定置網ではとても様々なお魚が獲れるんですよ。その中には、市場ではあまり取り扱われない、いわゆる雑魚(ザコ)も多くかかります。僕は、そうゆう雑魚や漁師さんが持ってけ〜!!と下さる高級魚まで持って帰り、小魚は内臓を取るだけで、大きめのお魚はブツ切りにして、それこそ先程のアンコウ鍋の様に味噌仕立てで煮込みます。あつあつをフーフー冷まして食べると磯の風味が広がります。

 皆様も豪快な漁師風鍋を今晩いかがですか〜?

さかなクン◎東京都出身。「TVチャンピオン魚通選手権」5連覇中!JF全漁連主催の魚普及関係の委員や館山市おさかな大使、御前崎なぷら大使として活躍。また、TBS「どうぶつ奇想天外!」出演中!現在「学研」「小学館」「ベネッセ」の各学年誌、「朝日小学生新聞」「毎日新聞くりくり」の新聞2誌で連載中。書籍・「さかなでございます!」「仲良しサカナ組」「ブクブクのかくれんぼ」発売中。BOOK&CD「教えてさかなクン」10月15日より発売中!


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