淡路島産の活ハモ。文字通り活きたままお店に入荷します。そしてその風貌は、白身の涼やかな味わいからは想像できない、するどい顔をしています。
後に臭みの原因となるハモの体のヌメリを流水とたわしで取ったあと、目打ちをし腹をさき内蔵とエラを取り除きます。 頭の付け根部分を切りハモを開いた後、中骨にそって包丁を入れ切り取ります。ハモは水がなくても1日位は生きている程生命力があるので、この状態でもまだ動いています。
+
湯引きした時に皮に白く膜がはらないように、包丁の背を使い皮を削ぐように再度ぬめりを取ってから、背びれと背骨を丁寧に切り取ります。下処理が終わったら、いよいよ骨切りです。ハモは小骨が体全体にあり、しかもY字形をしているため、骨抜き作業が大変困難なうえ、食べてささってしまうと大変なので、骨切りという独特の作業をします。関西には骨切り包丁という専門の包丁もあるそうです。
ザクザクっとリズミカルにいい音をたてて、小骨が切られていきます。神業のように細く切り目が入り、皮一枚でつながってジャバラのような状態になります。 商品によって尾までつなげて骨切りする場合と、ある程度の大きさで切り落とすものとあります。お店の売り場ケースには、骨切りの状態でパックされたものと、この後湯引きしてからパックしたものの2種類が並びます。

湯引きは、お玉を使って熱湯に必ず皮側から約1分、次に身側を約1分間くぐらせ、すぐ氷水に放ち冷やします。身が白い花のように開きとてもきれいです。
氷水に浮かべられた湯引きしたハモ。 湯引き前のハモ」(骨切り作業まで、1/2尾分)、 「湯引きしたハモ」(梅肉ソース・辛子酢みそ付)の売り場の陳列風景。


こうして丁寧にお店で作業し、食べやすく加工された鱧は、全く水っぽくなく、口に入れるとふんわりとそして気持ちいいほどにひんやりと、噛めばあまみと旨味があり、まさに、梅肉ソースや辛子酢みそと美味しさのハ〜モニ〜をかもし出すのです。ぜひ今夜、季節の一品として召し上がってみてはいかがですか。


取材協力:新宿タカシマヤ店 photo:菊池陽一郎
Copyright (C) 2003 NAKAJIMASUISAN Co., Ltd.