第八号で、さかなの消費が寿司や刺身で食べる「生食化傾向」になってきている中、その流れとは一線を隔した動きとして「干物」のような忘れかけた商品を発掘したい、という話をしました。この四月にグループ会社の運営で「干物と炊きたてご飯」の飲食店を開店させました。
 百貨店でもなかなかお目にかかれないような干物を提供しており、お越しいただいたお客様からはご好評をいただいております。生食が好まれ、また、焼いたときの煙の問題等で、「干物」はどうしても敬遠されてしまいます。商品として陳列した「干物」も売れないと鮮度劣化をし、自然と品揃えから外されてしまいます。こうした商品の中にはこれはという商品がいろいろとあります。
 「干物」は、鮮度の良い魚に塩を馴染ませ、干し、そしてそれを焼くことによって旨みを引き出すことのできる商品です。
 一例を挙げると、「ノドグロ」があります。新潟を中心に日本海側では大変親しまれているさかなです。東京では見慣れないので、ご存知の方は少ないと思いますが、お勧めし召し上がっていただくと、「こんなさかながあったのか!」と、脂ののりも含めて多くの方々が、高い評価をされます。本名は「赤ムツ」ですが、喉が黒いので、「ノドグロ」と呼ばれています。このような「干物」はまだまだたくさんあります。あまり知られていないおいしい魚を紹介することも、当社の使命と考えております。
 こうした「干物」をおいしく召し上がっていただきたいと思い、「炊きたてご飯」を一緒に提供する飲食店をオープンしました。従来ならば、当たり前だった、「焼き魚」と「炊きたてご飯」という組み合わせの食事が、自宅で簡単に召し上がれることが少なくなったので、皆さんに喜んでご利用いただいております。
 「干物」と言うと鮮度が劣化したものを想像されるかもしれませんが、鮮魚以上に鮮度の違いが出てくる商品です。鮮度が良い状態で「干物」にした商品は大変おいしいものです。また、家庭で鮮魚に塩を振り、焼く時の塩加減を考えると「干物」は、簡単でおいしく召し上がることができます。
 いろいろな魚をお客様に紹介していくことが当社の使命と思っております。この「干物」に関する取り組みを強化していきたいと思います。これからも、新しいものに挑戦を続けてまいります。

 
店舗の詳細は下記ホームページをご参照ください。

築地 一隅 麻布十番店      築地 奈可嶋 赤坂店

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