今年の冬は、戦後二番目の寒い冬だったようです。その結果、様々な購買動向に影響が出ています。我々鮮魚小売業者にとっては、鍋用商材が売れたことが大きな変化でした。

 当社は関東出身の魚屋としては早くからフグ調理師の育成に取り組んでおり、現在約 130名のフグ調理師免許取得者がおります。現場で調理したフグをご家庭に比較的に安価で提供して、多くのお客さまに高い評価をいただいております。 今年は、関西で主流の鍋、ぽん酢で食べるチリ鍋の商品提案に関東で取り組み、初年度としては順調な滑り出しをしました。関東の魚鍋は出汁で食べる寄せ鍋が中心で、魚屋の作る鍋は残り物を適当に組み合わせたセットを何となく提供していただけでした。鍋つゆのメーカーさんの努力により、いろいろな鍋料理が普及してきて、魚屋のいい加減な商品提案ではお客さまに満足いただけなくなりました。当社も残り物ではなく、トレイへの盛り付けもお造りと同じように見栄えに気を配るようになり、社員の意識改革にもなりました。
 12年前に京都に本格的に大型本マグロを持ち込み定着させたのは当社です。アジア4ヵ国に持ち帰り寿司を定着させたのも当社です。食文化はその土地の特性から発したものですが、物流や保鮮技術の革新により、従来食べることが出来なかった商品を鮮度のいい状態でお届け出来るようになり、新しい魚文化の提案が当社の使命と思っております。

 最後に、台湾へ今年の三月から試験的に奄美大島産の畜養本マグロの販売を開始します。台湾へ新しい魚文化を導入します。これからも、国内外に新しい魚文化を広めることを推進してまいります。

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