料理研究家 丸山久美さん

ごんあじのタルタル
マスタードとケッパーがポイント。ごんあじの旨味が引き立ちます。

材料(2個分)
ごんあじ…1尾
ケッパー…大1
たまねぎ…大1
粒マスタード…小2
オリーブオイル…大1
塩・こしょう…各少々
あさつき…2本
うずらの卵…2個
ディル…適宜

■作り方
1. ごんあじは3枚におろし、皮と骨(小骨は骨抜きで抜く)を取り除き、粗みじん切りにする。たまねぎはみじん切りに、あさつきは小口切りにする。
2. 1.とほかの材料を混ぜ合わせ、軽く丸くにぎる。上にうずらの卵を添えて。

ごんあじのパエージャ
スペイン料理の代表選手は、 米の扱い方ひとつで味が決まります。

材料(4人分)
米(無洗米)…2カップ
たまねぎ…1/2個
トマトの水煮…200g
ごんあじ…2尾
ぶなしめじ…1パック
ミニトマト…8個
にんにく…3片
固形ブイヨン…1.5〜2個
サフラン…ひとつまみ
パプリカ…小1
オリーブオイル…大3
バター…15g
レモン…1個
イタリアンパセリ…少々

■作り方
1. 水4カップに固形ブイヨンを煮溶かす。スープが熱いうちに、乾燥焼きしたサフランを入れて1時間以上置き、色出しをする。たまねぎは薄切り、しめじは小房に分ける。
2. ごんあじは3枚におろし、塩、こしょうをふり、小麦粉を薄くまぶす。にんにくはみじん切りにする。
3. パエリャ鍋にオリーブオイルを入れてごんあじを中火で焼く。両面を色よく焼いたら取り出しておく。
4. 同じ鍋にバターを加え、たまねぎとにんにくを弱火で炒める。たまねぎがしんなりとしたら、しめじとワインを加え炒める。ワインがなくなるまで煮詰めてからトマトの水煮を加えてさらに煮詰める。
5. 火を止めてパプリカを加えて混ぜ、米を入れてさっと混ぜる。温めたスープを加えて中火で5分ほど、とろりとするまでやさしく混ぜながら煮る。
6. ごんあじとミニトマトを並べ蓋(蓋がない場合はアルミ箔で代用)をして弱火で15分煮込む。
7. 最後一瞬強火にしておこげを作り、火を止めて15分蒸らす。
8. 出来上がりにレモンを添え、イタリアンパセリを飾る。

ごんあじとジャガイモの煮込みマルミタコ風
通常はマグロを使用するバスク地方の鍋料理。ごんあじでアレンジしました。

材料(4人分)
ごんあじ…2尾
たまねぎ…小1個
じゃがいも
(メイクイーン)…3個
トマトの水煮…300g
赤唐辛子…2本
にんにく…2片
オリーブオイル…大1
固形ブイヨン…2個
ローリエ…1枚

■作り方
1. ごんあじはゼイゴを切り取り、頭と内臓を取り除き、3等分で筒切りにして(骨が気になる方は2枚おろしにして2〜4等分に)、よく洗う。たまねぎはくし型に、じゃがいもは一口大に切る。赤唐辛子はふたつに(種も一緒に)切る。にんにくは粗みじん切りにする。
2. 鍋にオリーブオイルを温め、たまねぎ、じゃがいも、にんにくを炒める。トマトの水煮を加えて煮汁が半分の量になるぐらいまで煮詰め、水2カップ、固形ブイヨンを加え中火にし、軽く混ぜて、ごんあじを投入。弱火で蓋をして20分煮込む。

ごんあじのスパイス焼き
スパイスが染みこんだソテー。揚げ物にしても美味。

材料(4人分)
ごんあじ…2尾
A
白ワインビネガー…大4
にんにく…1〜2片
オレガノ…2〜3本
クミン…小1
イタリアンパセリ…2〜3本
塩…小1/2
黒こしょう…少々
小麦粉…適宜
オリーブオイル…大1

【タルタルソース】
マヨネーズ…大4〜5
ゆで卵…1個
きゅうり…1/4本
ピクルス…1本
塩・こしょう…各少々

■作り方
1. ごんあじは3枚におろす。
2. にんにくはすり鉢でつぶし、Aのほかの材料と混ぜ合わせ、その中におろしたごんあじを入れ、2〜3時間漬け込む。
3. 小麦粉をまぶし、オリーブオイルを温めたフライパンに並べ、両面をこんがりと焼く。
4. 器に盛りタルタルソースでいただく。

【タルタルソース】
材料をすべて細かいみじん切りにし、マヨネーズであえ、塩、こしょうで味を調える。


ごんあじのサルピコン
サルピコンとは和えるの意。ワインと一緒に召し上がれ。

材料(4人分)
ごんあじ…1尾
たまねぎ…1/4個
ピーマン…1/4個
赤ピーマン…1/4個
トマト…1/2個
オリーブオイル…大2
シェリービネガー
(又は白ワインビネガー)…大1
塩・こしょう…各少々

■作り方
1. ごんあじは3枚におろし、皮と骨(小骨は骨抜きで抜く)を取り除き、縦に半分に切る。塩を少々ふって、冷蔵庫で30分ほど置く。水気をクッキングペーパーでふき取る。
2. トマトは種を取り除き1cm角に切る。ほかの野菜も同じ大きさに切る。オリーブオイルで和え、ビネガー、塩、こしょうで味を調える。
3. 1.の上に2.をかけて召し上がれ。

ごんあじの海苔巻き
肉厚なごんあじならではの一品。梅のペーストが隠し味です。

材料(2本分)
ごんあじ…2尾
梅干し…大2個
青じそ…12枚
酒…大1
わけぎ…8本
しょうが…適宜
焼き海苔…2枚

■作り方
1. ごんあじは3枚におろし、皮と骨(小骨は骨抜きで抜く)を取り除く。
2. 梅干しは種を取り除き、包丁で叩き、酒をふり混ぜる。わけぎは根っこを切り落とす。しょうがは皮をむき、針しょうがにし、水にさらす。
3. 巻きすに焼き海苔をのせて青じそを重ならないように広げ、並べる。そこに2.の梅肉を塗る。さらに1.を並べ、手前にわけぎを置き、しょうがをちらす。わけぎが芯になるようにくるりと巻き、食べやすい厚さに切る。
4. しょうゆ、すだちなどでいただく。

 
まるやまくみ◎スペイン料理研究家。 ツアーコンダクターとして活躍後、結婚を期にマドリードに移住し14年間暮らす。在西中、食に興味を持ち、帰国後、本格的に料理研究家の道へ。料理教室「Mi Mesa」主宰。著書に『週末はパエリャ名人』『豆とスープが待つ食卓』(文化出版局)。

http://www.k-maruyama.com/

「最初はイタリア留学したいと思っていたので、スペインに住むなんて!って思っていたぐらいなんですよ」こう語るのは、マッチョなごんあじをスペイン料理で彩ってくださった料理研究家の丸山久美さん。最初はスペインという国に対して反発的だった彼女ですが、結婚をきっかけに過ごすことになったマドリードでの暮らしが彼女の考えを変えました。美味しいタパスとワインを手軽に味わい、家族や友人たちとゆったりと楽しむ食事の時間。それを原動力として生活をエンジョイするスペイン人の考えに感銘を受け、渡西6年目に一念発起、食のプロになろうと決意したそうです。
 「今回の料理は定番のものばかり。はじめてごんあじを使って料理をしましたが、あじとは思えないほどの大きさ、そして肉厚に、驚きました。鮮度も良かったので、なるべく生で食べられるもの、そしてダイナミックな姿を活かした料理を選びました。特に難しいものはないのですが、気をつけてもらいたいポイントと言えば、パエージャに関して。お米を絶対に洗わないこと、スープは必ず温めたものを使うこと、スープを入れた後のお米はやさしくとろみがつくまで中火で混ぜることです。お米の芯が残ってしまったら美味しさも半減しますから、ぜひここだけは気をつけてください。そのほかはいたって簡単! スペイン料理は食材も調理法もわりと日本食に近いので、きっとお口に合うはず。ぜひ作ってみてくださいね」。


photo=菅原史子
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