じょうもとほ◎1978年生まれ。大学卒業後、デザイン事務所、 スタイリストのアシスタントを経て、独立。フード、インテリアのスタイリストとして、雑誌、ケータリング事業などで活動していく中で、食を提供する“場”作りの大切さに気が付き、2008年より、ベルギー・アントワープのレストランにて、レストランターの修業をし、帰国。将来、レストランを持つことを夢みながら、ただいま食のスタイリストとして活動中。
 学生の頃は、料理に関する仕事をしたいという強い思いはなかったんです。でも、スタイリストとして独立したときに、手がけるならば食のスタイリングと思うようになりました。
 ところが仕事をすればするほど、自分があまりに食のことを勉強していなくて、もっと学ぶ必要があると気づきました。最初はイタリアの学校を受けたりしたのですが、料理家になるつもりはなく食回りの仕事をしたいんだと、やめました。スタイリングの仕事のほかに時々、ケータリングの仕事もしていたのですが、目の前で食べ喜んでくれている人がいることの方にやりがいを感じはじめ、食を提供する現場の方に興味が傾倒していきました。
 そしてそんな頃、たまたま旅先のベルギーで訪れたレストランで、直感的にここで勉強したい!と思い、口説き落として働かせてもらいました。そこではよくも悪くもいろんな意味ですごく得るものはありました。お料理だけでなくておもてなし方とか、きちんと食事をするということがいかに大切かということ、みんなで食を楽しむ豊かさ、時間の使い方などを教えられました。
 あとブイヤベースが衝撃的だったんです。今までに食べたことのない味。でも、ベルギーに行って思ったのは、おさかな料理は日本人が一番上手ですね。調理法がいろいろありますし。私、厨房でおさかな捌いていたんですが、聞くと、おさかなが捌ける立場になるのには、上位の人でないとダメらしいんです。私って器用なのかなって思いました(笑)。今回ご紹介したペティーナイフはもちろん持参。重宝しました。
撮影=三木麻奈
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