▲ 漁場の津軽海峡。天気の良い日には向こう岸に北海道が見えますが、近くに見える日の翌日もしくは翌々日には天気が荒れると漁師さんは言います。案の定この翌日はみごとに天気が崩れました。 |
食べられないところはないあんこうですが、生態はいまだ謎が多く、外見のグロテスクさに反してデリケート。そこで、よりよい活あんこうを提供するべく駒嶺商店と共同で研究を行っている青森県産業技術センター下北ブランド研究所の竹谷主任研究員に聞いてきました。
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「基本的に移動する魚ではなく、海底で静かに暮らしていると考えられています。するめいかをよく食べているようですが水面まで上昇し海鳥を食べていることもあり、ときには長靴が胃から出て来ることもあります。とにかく雑食です。しかし、あんこうはとてもデリケートな魚で、卵を孵すことに成功した人はいますが、いまだ成魚まで育てられた人はいません。餌を与えても食べないんです。頭部に見られる触覚みたいな部分は『背びれ第1棘(きょく)』と言い背びれの一部が進化したものだと言われています。疑似餌の役割をしており、海中ではそれを揺らして魚をおびき寄せて食事しています。夜行性でとくに夜中12時頃に活発になります。正確な理由は不明ですが、食事のためではないかと思われます。他の魚に比べて成長は速く、1年で1〜2kgのペースで大きくなります。ですから水揚げされる20〜30kgサイズは約10年ものと思われます。一般的に魚の年齢は耳石(じせき)の年輪でわかりますが、あんこうのはにせものも多いので、正確な年齢を測る術は現在のところわかっていません。ちなみに漁獲されるあんこうのうち、95%メス、5%オス。身体のぬめりは、鮮度がいい方が粘液が多く出ます。」
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撮影=菊池陽一郎 写真協力=駒嶺商店/青森県/風間浦村 | |
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