今や、回転寿司などで大人気のサーモンですが、本来は生食には不適格の魚だったのです。アニサキス等の寄生虫が住んでおり、生食すると寄生されてしまう可能性が高いので、生食は駄目とされていました。
 しかし、1980年代から養殖で、キチンとした管理がされ、寄生虫がいないサーモンが開発されたことにより、生食サーモンが飛躍的に増産されてきました。特に近年は、中国の方が凄い勢いでサーモンを食べるようになってきております。中国の方は、一般的に、色鮮やかで、脂が目一杯乗った魚を好み、しかも比較的安価なサーモンが一番人気なんですよ!!
 生食サーモンは、「アトランティックサーモン」と「トラウトサーモン」が中心ですが、アトランティックの方が主流です。養殖ですが、色や脂の乗り具合もコントロールできるのです。色は、「アスタキサンチン」という天然由来の色素を使い、色見本の番号に合わせて自在に調整することができます。日本人はあっさり系ですから、比較的脂分が少ない商品が提供されていますが、中国向けのサーモンは相当しっかり脂が乗っていますし、中国の方は腹の脂ギトギトな部分が大好きです。これも、餌の入れる脂分によってコントロールされています。マグロも大トロが大好きですが、大変高価なので、サーモンに集中するようです。
 また、日本向けの商品は切り身に適しているようなサイズで出荷されますが、中国向けは刺身にする時の歩留まりを重視するので大きな魚体で出荷されます。弊社が中心的に生食提供している「トラウトサーモン」は、ノルウェーの奥地から空輸され、わずか3日間で皆さんの食卓にお届けしています。
 何気なく召し上がっていらっしゃるサーモンにも、このようないろんな秘密があるんですよ!!
絵=上野るう
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