実は、魚価が全般的に高止まり状況なのです。いずれ、落ち着くだろうと思っていましたが、更に高騰する可能性が高いので、その原因について、お話しします。
 第一に、マグロや鰻に代表されるように、乱獲によって、資源が枯渇してきていることが挙げられます。ノルウェーのように、国の漁獲量規制を厳格に守ることが求められます。
 第二に、「卵が先か?鶏が先か?」の議論になってしまいますが、最近の異常気象は海の様々な変化に密接に関係しています。水温の上昇により、どんどん魚が北上しており、今までの漁場には魚が居なくなっているのです。今までの常識では考えられないような場所で漁獲されることもあるのです。魚によって漁法も異なりますから、当然漁獲量が減ってきてしまうのです。
 第三が皆さんあまりご存知ない原因なのですが、魚食人口の増加により、需要が劇的に増えているのに、供給量が減っているのですから、魚価の高騰は必然であるということです。最近は養殖が盛んになってきていますが、需要増の勢いには全く追いつかないのです。主に、中国人を中心とした東及び東南アジアで、その傾向が顕著であります。中産階級の生活者が劇的に増え、健康志向になってきています。「健康=魚食」は全て正しい訳ではないのですが、多くの方々がそのように盲信しているので、「サーモン」を筆頭に、「メロ」「銀だら」と言った脂がしっかり乗った魚を食する機会が増えています。
 中国の魚食人口及び東南アジア諸国の人口はまだまだ増え続けるでしょうから、魚価の高騰は当分落ち着くことはないものと想定されます。今後は乱獲防止だけでなく、各家庭でも、魚を丁寧に扱い、無駄を出さないように注意することも必要不可欠になってきますね!!
絵=香神みのり
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