海外グループ会社のお話しですが、9月30日、インドネシア・ジャカルタ東部のスーパーマーケット内に新規出店しました。大変な賑わいとなり、素晴らしいスタートを切ることが出来たとともに、東南アジアの新興国の驚異的な成長を目の当たりにしました。実は、本年4月に現地資本企業を子会社化して、海外6ヶ国目となるインドネシアにも進出していたのですが、今回の出店で3店舗目となりました。
 平成5年にシンガポール燗屋内に海外1号店を出店して以来24年を経て、6ヶ国で95店を展開し、海外子会社の従業員数がなんと1,000人を超えたのです。国内のグループ各社の従業員の合計が1,500人ほどですから、その数には驚いてしまいます。
 民族、宗教、世帯収入、法律、食文化等、様々な違いを乗り越え、千人を超える従業員に支えられ、主に鮨・刺身を中心とした魚食文化を広めてきました。実は、中島水産本体の海外事業部は、各国現地法人への出向者を含めてわずか12人で運営しています。当然、必要に応じ国内各部署からの応援はありますが、直接関与しているのは12人なのです。合弁企業及び現地スタッフによって、ほとんど運営されています。
 当然ですが、本社スタッフが現地の様々な背景を理解して商売の方向性を差し示し、現地スタッフといろいろ協議しながら対応しております。進出から20年以上経過している国もあり、同じ商売だけで継続的な業績維持は難しくなってきています。特に、昨今は国の政策として各国の最低賃金が凄い勢いで引き上げられており、世帯収入が劇的に上がっていますが、反面会社としては人件費負担が増加しています。単純に売価を引き上げたのではお客様に受け入れていただくことはできません。品質を上げたり、新しい商品を導入したり、様々な工夫をしない限り、会社を維持発展させていくことは難しい環境となってきています。
 また、現地スタッフと一体感を持つために、毎年アニュアルディナー(社員懇親会)を各国で開催し、着席してのディナー、会社方針の発表、表彰式、くじ引き、お酒を酌み交わしながらの歓談等で盛り上がっております。懇親会は国内でも行っており、私は年間20回の懇親会に出席し、延べ2千人を超えるスタッフと懇親を図っております。
 商売を長く継続していくことは並大抵なことではなく、様々な困難を克服し、変化に対応して、初めて成し遂げられるものと思っております。来年には7ヶ国目への進出が検討されております。東アジア、東南アジアの皆さんへ鮨・刺身の魚食文化を更に進化させて提供し続けて行くために、これからも努力を継続して参ります。
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