日本のブランド魚では先駆的存在と言える「関あじ・関さば」。1988年頃からその名が知られるようになりましたが、元々は佐賀関で獲れたタイ、ブリ、イサキなどを、県外の消費者が「関モノ」と珍重していたことに由来します。大分県漁協佐賀関支店が本格的に事業化してから現在まで約30年にわたり、鮮度と品質を高く保ち続けている「豊予海峡の関あじ」とは、いったいどのような魚なのでしょうか。 |
豊予海峡(ほうよかいきょう) | |
豊後(ぶんご)水道で最も幅が狭まっている佐賀関(大分県)と佐田岬(愛媛県)の間が豊予(ほうよ)海峡。瀬戸内海の水塊と太平洋の水塊がぶつかり、潮流が速いことから別名「速吸瀬戸(はやすいのせと)」とも呼ばれている。 |
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アジをクールダウンさせる | |
釣ったばかりの魚は極度の興奮状態にあるため、1〜3日程度、いけすで落ち着かせます(写真6)。沈静化した状態で活けじめにする方が、美味とされているからです。アジやサバは本来、10qくらいの距離を移動する回遊魚ですが、関あじ・関さばの多くは、1ヶ所の瀬に居つく「瀬付き魚」です。その理由はいくつかありますが、@佐賀関沖の水温が他の水域と比べて、夏冷たく、冬暖かく、一年を通じて変化が少ないこと。A速吸瀬戸の海底には、すり鉢状の大きな瀬が二つある他、起伏に富んでいるため、十分な運動ができること。B一年を通じて餌が豊富なこと、などが挙げられます。 |
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撮影=菊池陽一郎 取材=中島宏枝 取材協力・写真提供=大分県漁業協同組合佐賀関支店 |
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