10年ほど前、高次元のイルカの守護霊がついていると言われてから、イルカの存在を意識するようになりました。教えてくれたのは、イルカのスピリット(霊体)と話せるドルフィニスト夫妻。私にはヌルランというおしゃれなゲイのイルカがついているようです。名前はヌルラン。そういえば、以前からイルカのキャラクターが好きだったり、自然とイルカの絵を描いたりしていました。子ども時代から魚類は鯛や鮭や鯖などなんでも好きでしたが、唯一給食のクジラ肉(年がバレますが……)が苦手でした。また、おしゃれなヌルランがときどき服選びを手伝ってくれているような感覚もありました。「こっちの店に良い服があるよ」とか。ただ、私にはそんなに霊能力はないので、ヌルランと直接テレパシーで話ができないのがもどかしいです。ときどき、もしかしたらこう言っているかな? というのがわかるくらいで……。
 ヌルランが手配してくれたのか、一昨年、天草のイルカウォッチング船に乗ったときは、たくさんのイルカたちを見ることができました。野性イルカの群れは100匹(イルカへのリスペクトから100人と言いたいところですが……)以上いたでしょうか。誰に強いられたわけでもなくジャンプしたり、体を横に泳いでじっと人間を見てきたり……。シンクロした動きと流線型の形が美しかったです。イルカたちに波長を合わせているだけで癒された感がありました。チャンスがあれば水族館に行ったり、年に1〜2回はリアルイルカと会いたいと思っています。
 先日は久しぶりにドルフィニストさんに会い、ヌルランのメッセージを伝えてもらいました。夜遊びが好きなヌルランは、私が寝たあと、クラブやバーに出かけて行っているそうです。おしゃれピープルを見るのが好きみたいです。また、テレパシーができていないと思っていましたが、私の心の中に答えのように湧き上がってくる言葉が、ヌルランのメッセージだったりするそうです。もしかしたら原稿の大部分も実はヌルランをはじめとした守護霊が書いてくれているのかもしれません。しかも無償で……ありがたいです。私にできるお礼といえば、ヌルランの好物のチョコレートだったり、イルカの好物の魚をできるだけ食べることくらいでしょうか。お店で背後からささやいて服を買わせるだけでなく、ちゃんと仕事も手伝ってくれて収入をサポートしてくれるところに、高次元のスピリットとしての責任感が現れているようです

 

しんさんなめこ◎漫画家・コラムニスト/1974年東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)などがある。


 
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