好きな魚料理といえば刺身は必ず食べるのと、焼き魚もよく食べますね。白身が好きなので、うちでは、柳カレイや蒸しカレイ。煮魚よりも焼き魚の方がよく食べるかな。
 若い頃は鎌倉腰越や、ディズニーランドができる前の浦安の堤防によく行ってました。浦安は広い空き地でしたからね、車で何人かで入って夜釣りするんですよ。小さい頃、谷津遊園っていう遊園地の前あたりでは潮干狩りができて、砂浜からの投げ釣りでキスやメゴチが獲れたりしてました。  牡蠣は大好きです! 母が広島出身なので、子どもの頃は毎年冬になると牡蠣を食べていました。母は酢牡蠣にして食べてましたね。播州赤穂あたりの生牡蠣は美味しいですよね。最近は板橋に新しくできたオイスターバーにしょっちゅう行ってます。
 オペラの仕事でフランスに行った時はお稽古が休みの日は山ほど牡蠣を食べるんです。海沿いのフランス人曰く「大丈夫だよ! いくら牡蠣食べても白ワイン2本飲めばあたらない」って言うもんだから、一生懸命頑張って2本飲むんです。(笑)ブルターニュの方にブロンっていう牡蠣があって、普通の牡蠣とは形が違い、丸くて薄くて、開けると見た目がすごく汚らしい! でも美味い! 僕はあれが世界一美味しい牡蠣だと思う。
 スイスがとても好きで、現地ではパンとチーズばっかり食べてますね。あとは芋。やっぱりスイスのラクレットが世界一美味いかなぁ。ラクレットはすっごくお腹が膨れちゃうんですよ。お酒は白ワインじゃなきゃだめで、冷えたビールとかだとお腹でラクレットが固まっちゃうから危ないんですよ。緊急搬送される人もいるくらい。
 スイスでは山上に泊まって星を見たいので、歩く。そうすることで体調が良くなるんですね。景色が良いなかを歩いて途中でワインを飲んで…の繰り返し。こんな幸せなことはないです。通り過ぎるフランス人が「Sante´(乾杯)!」と言ってくれたり、皆んな本当に山歩きを楽しんでる。一人旅が好きだから、やっぱりスイスは治安も良くて安心できるのがいいですね。
 自分で料理するのはイタリアン、理由は手早く作れるから(笑)仲の良いシェフに教わりました。下板橋にある「クネチッタ トミーノ」ってところはね、秋刀魚、春先は鮎などのコンフィがあって、食べ終わった後は皿に何も残らない。西巣鴨にある「寿司一」っていう寿司屋もおすすめです。
 『鎌倉殿の13人』での印象に残った食事シーンは、一番最初の宴会に出てきた鯛! 小栗旬くんが丸かじりしてたやつ。撮影に出てくる料理は全部美味いんですよ。鮎とか鮭の新巻も出ましたね。北条の本拠地近くの狩野川の鮎が有名なんです。美味しかったなぁ。




ばんどうやじゅうろう◎歌舞伎俳優/1956年5月10日、東京生まれ。1973年歌舞伎座「奴道成寺」で坂東彌十郎を名乗り初舞台。敵役から老役まで幅広い役を演じる。NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では主人公・北条義時の父・北条時政を演じた。2023年1月2日(月・祝)から歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」(第二部「人間万事金世中」)、3月4日(土)から新作歌舞伎「ファイナルファンタジー]」に出演予定。
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Interviewer:Mariko SAKAGUCHI  Photo:yota YUKITAKE  Illustration:Luu UENO
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