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回転寿司では一番人気のネタである刺身サーモンの原価高騰が止まりません。サーモンばかりではなく水産物全般、いや、生活に関わるほとんどの物の価格が高騰している状況ですが、その理由について、刺身サーモンを例に挙げて説明をしたいと思います。 @需要と供給のアンバランス以前から供給不足で価格は上昇傾向でしたが、コロナ禍により世界中でほぼ全ての生産活動が休止する状況に陥りました。サーモンは育っても加工する人がいないため、出荷することが出来なくなりました。一方、外出制限措置や価格高騰などによって、消費も冷え込んでしまったため、需要も急減してしまったのです。サーモンは孵化してから出荷するまでに1年半ほどかかります。需給バランス改善策として、生産計画段階で修正する必要があるので、当分価格が落ち着く方向へは動かないでしょう。更に一大消費国である中国が活動を再開してサーモンの消費が劇的に増えた時のことを考えると冷や汗ものです。 A物流費高騰コロナ禍で世界中の物流が機能不全に追い込まれたわけですが、水産物も例外ではなく、価格高騰以前に、コンテナを確保すること自体が困難な状況になっていました。そこへロシアによるウクライナ侵攻が始まり、ロシア上空の飛行が出来なくなりました。コロナ禍での減便に加え、航路迂回により飛行時間が長くなったことで、航空貨物運賃も高騰に見舞われました。コロナ収束方向による増便が数少ない朗報です。なお、原油高も空海ともに高騰の要因になっています。 B為替レートの影響サーモンの取引に関しては原則米ドルで決済されるのですが、コロナ前との比較では、30%以上ドル高円安になっています。ドル建て価格が同じであっても、円での換算では30%以上価格が上がることになるのです。 C気候変動世界的な気候変動によって、様々な現象が起き、生活を脅かしていることは皆さんご存知だと思います。身近なところでは、弊社が計画的に生産を依頼している「青森サーモン」の生産地が、今年8月の集中豪雨により池に土砂が流れ込み、来年出荷分のサーモンの稚魚に大きな被害を受けました。来年の出荷は全く見通せない状況になっています。 その他にも価格高騰の要因は枚挙に暇がないのですが、弊社としては今後もお客さまにご満足いただけるような価格での水産物の提供に、努力を重ねて参ります。また価格面ばかりではなく、皆さまのご家庭でお召し上がりいただく際に、十分な満足感が得られるような品質の提供にも、同時に努力をして参りますので、よろしくお願いいたします。 ![]() |
Illustration:Escargoté Umino | |
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