網走湖には3つの港(呼人・女満別・嘉多山)があり、全41軒の漁師がそれぞれの港から出漁します。年間の漁獲高が決まっているので、1軒の漁師が獲れる量も定められています。この日は100キロ/日。それ以上は獲りません。
朝の4時、一斉に漁がスタートします。時間もしっかり厳守。フライングをする人はひとりもいません。漁場は潮の流れや天候など、状況に応じて移動するそうですが、だいたい水深1.2〜3メートルのところで作業します。周囲約44キロの網走湖、資源は豊富です。
まず、「じょれん」と言われる土砂をかき寄せ貝などを獲るための道具を海に落とし、湖底でしばらく流します。ある程度経つと揚げられるわけですが、じょれんの上部にファンモーターがついていて、それによって余分な砂などは落とされます。
網走湖産しじみの特徴は粒が大きいことですが、規定で14ミリ幅の「トーシ」とよばれるふるいに残った厚さ15ミリ以上(殻長約23ミリ)のものしか獲らないことになっています。この規格を通るものはだいたい7〜8年もの。船に専用の選別機が搭載されており、規格未満のサイズは海に戻される仕組みになっています。さらにトーシで、海水につけながら選別。中身が空だと水面に浮き、小サイズだと自動的に海に落ちて行きます。
選ばれたしじみは指定のコンテナに詰め替えられます。1コンテナも重量が定められており、100キロに達して終了。自宅に持ち帰って、再度選別して、仲買人へ届けます。 |